狐の社・二社目

カードゲーム好き元限界労働者がその時々に好き勝手ゲームについて語るブログ。

ジェイスは強い。

2018年2月12日、モダン界は激震しました。

 

mtg-jp.com

 

《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》 解禁。


この一文にどれだけのMTGプレイヤーが戦慄したかは想像に難くありません。

普段このブログを見ている層に“神ジェイスは強い”という不文律が頭に入っていない人はいないとは思うのですが、一応下調べはしておきましょうということで、お手元の端末で彼について調べてみてください。
調べれば調べるほどに彼の強さを称える文章が次々出てきます。

 

 

f:id:Inari9th:20180226202344j:plain

▲マジックの暗部みたいな人

 


多くのプレイヤー と転売屋 が神ジェイスがモダンで使われない状況なんてありえないと踏んだのでしょう。解禁と同時に値段は1枚15000円にまで高騰しました。
一万円札イコール1ジェイスと呼ばれていた時代もあったものですが、まさかそれを遥かに飛び越えてここまで高騰してしまうとは。
人々がどれだけ神ジェイスという存在を高く評価しているのかが分かる値段推移となりました。

 

さて、このジェイス解禁についてですが、プレイヤーの間でしばしば批判の的となっています。既にモダンはバランスの取れたフォーマットであり、解禁する必要は無かった。というような批判ですね。

 

なにゆえWotCはジェイスを解禁してしまったのかと言えば、解禁しても問題がないと認識していた以外の理由は無いわけですが…。
あ、もちろん『マスターズ25th』を沢山売りたかった。なんてのはただの邪推ですから胸の奥にしまっておきましょうね。
上記のURLにも書かれていますが、要約すると公式の言い分は以下のようになります。

 

モダンはカードプールが広がることで非常に速いフォーマットになった。
モダンの上位デッキを見てみるとインスタントタイミングで使用できない4マナのカードは殆ど採用されておらず、メインフェイズに4マナ支払うという動きが極めてリスキーな行為であることが分かる。


また、モダンのカードパワーは当時より高くなってきており、ジェイスに追いついてきているとすら言える。単純にカードパワーが高すぎるという理由で禁止されていたジェイス(と血編み)はそろそろ釈放してもいいだろう。

 

ということらしいです。
なるほど、言い分としては理にかなっていますよね。確かに現状のモダンの4マナ域といえば、《謎めいた命令/Cryptic Command》《集合した中隊/Collected Company》、《けちな贈り物/Gifts Ungiven》などのインスタント

 

f:id:Inari9th:20180226203021j:plain  f:id:Inari9th:20180226203017j:plain 


《解放された者、カーン/Karn Liberated》やエルドラージたちのような4tより早く戦場に出るカード

 

f:id:Inari9th:20180226203436j:plain  f:id:Inari9th:20180226203442j:plain


《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》ら事実上4マナ以下のカード、または《風景の変容/Scapeshift》といった通った瞬間に勝つカードが殆どです。

 

f:id:Inari9th:20180226203627j:plain  f:id:Inari9th:20180226203633j:plain


確かにここだけ見ると4マナソーサリーというものは相応にリスキーであり、環境に合っていないようにも見えます。

しかし、コントロール側の視点に立ってみると、意外や意外。
《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》や《思考を築くもの、ジェイス/Jace, Architect of Thought》などの4マナ以上のプレインズウォーカーがしっかりと採用されているわけです。
というかモダンにだってコントロールくらいいますよ。全部が全部先手を取って一瞬で決着をつけるデッキなわけではありません。
モダンもまたコントロールできる余地があり、コントロールが存在するのです。(勿論後手に回る事自体が弱いという議論は昔からされてはいましたが)


更に言ってしまえば、「カードパワーがジェイスに追いついてきている」という所なんですけども。私は嘘だと思います。実際に使われて思ったのですが、全然追いついてませんよ。
神ジェイスは先ほど青白系コントロールの選択肢として挙げたあらゆる4~5マナのプレインズウォーカーよりも強いです。
勿論、複数の能力を持ち、状況によって強さが変わるプレインズウォーカーという種類のカードを単純に強い弱いで比較するのは難しい話ですが、残念ながらカードパワーという秤で彼を比較対象にするならば、同コスト帯の他のプレインズウォーカーなどまるで比べ物になりません。

 

まぁ、そりゃそうですよね。
彼はマジックの歴史において“強過ぎて失敗した最初のプレインズウォーカー”であり、
それ以降のプレインズウォーカーのデザインは“絶対に”神ジェイスの二の舞にならないよう調整されています。故に昨今のカードがいくら強いとはいえ少なくともPWという括りの中では依然として神ジェイスこそが最強なわけです。

 

そして現状のモダンにおいて神ジェイスを処理する方法は限られています。
モダン環境には《赤霊破/Red Elemental Blast》も《意志の力/Force of Will》もないのです。神ジェイスを打ち消すにはマナを立てる必要があり、着地した所を破壊するにも少々重いカードを使わざるを得ません。


彼はレガシーよりも更に一筋縄ではいかない男と化してしまいました。
そして1ターン処理できなかったら最後、除去とカウンターを構えられながら敗北へと向かっていくのです。対戦相手を詰みに追い込む事にかけては彼は達人ですから。
神ジェイスが着地し、+2でトップそのままと言われてみてください。そして返しで倒せなかったとしたら。次のターンに+0とフェッチ起動で質も量も強化された手札を前に貴方は彼を倒す事ができますか?
以降+2の能力を起動され続け土地ばかり引かされて尚このゲームに勝機はあると言えますか?


…解禁の情報が出てすぐの段階では「神ジェイスはさほど強くない」といった言説も見受けられました。
しかし、どんどんツイ消しされ そういった意見の多くはすぐに消えていきました。
多くのプレイヤーが自分の身を以て、あるいは他人の対戦風景を見て彼が強過ぎる事を認識したのでしょう。
ですが同時に、速攻で勝負を決めるようなデッキを使っている方々には未だジェイスの強さが正しく伝わっていないようにも見えます。
事実、もっとも簡単にジェイスに対処できる手段は、ジェイス着地の返しに殴り倒すか、あるいは出しても無意味な状況を作ることですからね。


まぁ《至高の評決/Supreme Verdict》とかもありますし、グリクシスカラーを選択すればより生物に対するガードを上げる事もできるでしょう。現状景気よく殴って彼を対処できているからと言って、今後もそうであるかは限りませんよね。
まだまだジェイスデッキは発展途上なのですよ。まだジェイスがモダンの戦場に現れて数週間ですから。
そしてジェイスは選択肢が多い、ベストのプレイをするには相応に扱い慣れなければいけないカードです。

 

ジェイスを軸にしたベストなコントロールデッキが完成し、そしてモダン民がジェイスの扱いに慣れた時。
それが終わりの始まりなのではないかな、と自分は思います。

 

あらゆるプレイヤーにジェイスの脅威が伝わりますように。


御覧いただき、ありがとうございました。